まじないの世界展を見学してきました
- 野良考古学研究所
- 2019年8月30日
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まじないの世界展を見学してきました
2019年8月30日(金)は、肥前国庁跡資料館で開催されています、夏の特別企画展「まじないの世界展」(2019.07.23(火)~09.01(日))を見学して参りました。
原始時代からのまじないの遺物が並んでおり、解説もとてもわかりやすく、コンパクトでいい展示でした。
展示室展示
〇古代の鬼について
・「鬼」と書かれた墨書土器
・墨書土器「鬼鬼鬼・・」(須恵器 蓋)(上和泉遺跡7区出土)
:「有有有鬼鬼鬼大天穏」
・鬼の字:鎌倉時代、日蓮によって鬼の字を使った様々なまじない文字が作られた
・鬼の文字を使って作成した「まほろちゃん御札」
・韓国の鬼瓦(慶尚北道・雁鴨池):緑色の釉薬
・鬼瓦
・鬼瓦(国分寺出土:奈良時代)
・鬼瓦(尼寺(大昌寺):室町時代)
〇胞衣埋納
平城京では、建物の入口や土間付近の、人が出入りして踏み固める場所から多く発見
銭(1~5枚)を添えるもの、願い筆や墨を入れるものも。
江戸時代 胞衣壺
男の子:筆と墨、女の子:針と糸を添える風習
・須恵器の杯と蓋(神野二本松遺跡出土):地鎮具か胞衣壺か不明
・土師器の杯と蓋(大願寺二本松遺跡出土):地鎮具か胞衣壺か不明
〇井戸のまつり
・陽物(小川遺跡出土:平安時代):陶製の男性器。井戸の屋根にぶら下げていたか
・金精さま(淀姫(河上)神社):佐賀市大和町に複数存在、僻地山村に多い。
・墨書土器「水鳥」(大願寺二本松遺跡出土:奈良時代)
・木製品 鞍(大願寺二本松遺跡出土:奈良時代)
〇川のまつり
・木製品 人形(徳永遺跡10区出土):体をなでたり、口をつけたりし、川に流す
・墨書土器「得」(徳永遺跡14区出土)
・墨書土器「福徳」(徳永遺跡14区出土)
・墨書土器「阿古」(徳永遺跡10区出土)
・墨書土器「魚?」(須恵器 蓋)(徳永遺跡14区出土)
〇まじないの文字やもようを刻んだ土器
・人面土器(土師器 杯)(築山遺跡出土):底部を刳り貫いて目を作る
・土製人頭(西山田遺跡出土)
・人形木製品(牟田口遺跡出土)
・墨書土器(土師器 杯)(肥前国庁跡出土):底部にまじない文字
・墨書土器(土師器 皿)(徳永遺跡10区出土):底部にまじない文字
・線刻土器(土師器 杯)(北畑遺跡出土):底部にまじない文字
〇境のまつり
方向や数字を墨で書いた奈良~平安時代初め頃(8世紀後半~9世紀)の土器
・墨書土器「北」(須恵器 蓋)(久池井二本松遺跡出土):つまみに「北」
・墨書土器「北」(須恵器 蓋)(久池井二本松遺跡出土):2ヶ所に「北」
・墨書土器「九」(須恵器 蓋)(久池井二本松遺跡出土):3ヶ所に「九」
・墨書土器「東」(土師器 杯)(北畑遺跡出土):底部に「東」
・墨書土器「東」(土師器 杯)(北畑遺跡出土):底部に「東」
・墨書土器「南南九」(土師器 皿)(北畑遺跡出土):底部に「南南九」
・墨書土器「南」(土師器 杯)(北畑遺跡出土):底部に「南」
〇まじないに使われた土器
・土師器 皿2枚(寺小路遺跡出土):文字などはない
藤原道長と安倍晴明のお話に、底部に朱字のある、2枚の皿を合わせて黄色の紙のこよりで十文字に括ったものが埋められていた呪いの道具のお話がある。
・呪符木簡(牟田口遺跡出土):「天」「九九八十一」「急々如律令」
・木札(祈祷札?)(ウー屋敷遺跡4区出土:1699年)
〇百鬼夜行
・百鬼夜行(荒俣宏監修おまけ付きフィギュア 海洋堂)
〇風土記に書かれたおまつり
・人形と馬形のおまつり
・土馬(戦場谷遺跡出土:奈良時代)
・動物の脚部?(戦場谷遺跡出土)
・人形(戦場谷遺跡出土)
・円盤状土製品(戦場谷遺跡出土)
この他に、受付フロアに、卜骨、銅鏡、埴輪、土器が展示してあります。
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